15年乗った自転車を盗まれた

この地域はバス便も少ないから、駅から遠くに住んでいる住人は皆自転車を使う。朝の通勤通学風景なんて、踏切が開くと一斉に自転車が飛び出し、まるで一昔前の中国のようだ。駅前にも駅近くの個人宅にも、たくさん駐輪場があり、皆どこかと契約している。私も駅近くの公営駐輪場に停めているが、ある日突然、15年乗った自転車を盗まれた。どんなに丁寧に乗っていても、15年乗った自転車というのはボロボロだ。しかも私の自転車には、後ろに大きなカゴがついていて、おばさんが乗るタイプのやつ。まさかこの自転車を盗まれるなんて、夢にも思わなかった。

古い自転車だから盗まれていいかというと、そんなことはない。私はこの自転車を愛着を持って乗っていた。古くても大切だから15年も乗っていたのに、鍵を壊して持ち去るなんて、本当に許しがたい。しかしきっと、自転車は返ってこないだろうと思う。どこかで乗り捨てられ、そのまま廃棄処分にされてしまうのではないだろうか。

こんなことなら、子どもが乗っている自転車のように、元からついている鍵の他にも、チェーン式の鍵をつければ良かった。そう簡単には動かせないように、フェンスやポールに結び付けておけば良かった。公営の駐輪場だからなんとなく安心していたが、人が居るのは朝の整理時の時のみで、午後や夜はまるで人が居ない。ちょっと人目を忍んでこっそり鍵を壊せば、盗むことは簡単だったろう。傘をさせるように前のフレームに傘フォルダーをつけていた。もしかしたら自転車泥棒は、そこに傘をさして快適に走っていたりしないだろうか。

自宅までの約20分の距離を、冷たい雨が降りしきる中、とぼとぼと歩く。愛用の自転車の傘フォルダーに挿しやすいという理由で選んだ傘だから、持って歩くにはちょっと寂しい。自転車を盗まれた悲しみと寒さで、心まで凍ってしまいそうだ。

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