鍵屋を待っている間に、無くしたカギが見つかった。

blogplaync_鍵2秋も終わりに近づいてきたので、私は新しいコートを購入した。今年は白いロングダウンにしようとずっと決めていた。羽毛がたくさん入っていて暖かいし、オシャレな割にポケットもたくさんついているから機能的で主婦には有難い。だけどそのコートのせいで、とんだトラブルを引き起こしてしまった。

いつものようにお気に入りのコートで出かけ、帰ってきて玄関を開けようとしたときだ。私はコートのポケットにしまったはずのカギがないことに気付いた。あれ?と思いカバンをひっくり返して中身を全て出してみるがやっぱりない。コートのポケットをまさぐってみるがやっぱりない。首筋から氷を入れられたかのように、背筋がさーっと冷たくなるのがわかった。そうです。私は家の鍵をなくしたのです。どこかに落としてしまったのだと思い、私は駅まで歩いて戻った。駅員さんに尋ねた。近くの交番に行った。でもやっぱりない。私ががっくりと肩を落とし、そのまま紛失届を提出したのだった。

しかも不幸中の不幸なことに、夫は北海道に出張中だったのでスペアキーもない。再び自宅に戻り、私は鍵屋を呼んだ。玄関の前でしばらく立ち尽くしていた私は、寒気を覚えてポケットに手を入れた。すると指先に固い感触を感じた。え…?まさかと思いその固いものを出してみると…それは紛れもなく、我が家のカギだった。え…?何で…?よくよくコートを見ると、同じ場所に二つのポケットがついていた。私がさっきから探していたのはカギの入っていない方のポケットだったのだ。

全身から力が抜けてへなへなとなった時、カギ屋さんのバイクが来た。カツラの人にカツラですよね、と指摘するくらいの勇気を振り絞って、「すみません、見つかりました…」と私は告白した。カギ屋さんがとてもいい人で、笑いながら「よかったですね」と言ってくれたのがせめてもの救いだった。それから私は絶対にカギをコートに入れないと決めたのだった。